2023-12-04

「しっくい(漆喰)」とは

「しっくい」とは、消石灰を主成分とする塗り壁材のことです。その歴史は5000年以上前から、日本でも古来からの壁仕上げであり、現代でも真壁(柱が表に出てくる仕上げ)の和風住宅には多いです。

「しっくい」は、空気中の炭酸ガスを取りこんで硬くなる、いわゆる「気硬性」。さらに、亀裂防止の為に麻スサ(麻の繊維)、塗り作業性を良くする為に糊(海草から抽出)を混ぜています。

これに対して、水と反応(水を取りこんで)することによって固くなるものの代表がコンクリートかと思います(コンクリートにも気硬性のものもあります。)

なので、コンクリートは乾いて固まるのではなくて、水と反応して固まるという表現が正しく、水分が少ない状態ではうまく固まりません。また水との反応時には発熱もするので、凝固時にはより発熱を促すように温めるとより強固になります。

話がそれましたが、「しっくい」はその性質上、時間が経てば経つほど反応が進んで白く固くなっていきます。さらには耐火性、耐久性も高く、調湿性能もあります。

こういったあまり経年劣化しない素材からなのか、自然素材でありつつも自然界には少ない純白という色からなのか、見るとハッと目が醒めるような白さを発現して、日本人の心の琴線に触れてきます。

そんなわけで現代の一般住宅では「しっくい」を壁に塗る機会は少なくなっているように思いますが、やはり選択肢の一つに入れておいてもよい素敵な材料かと思います。

また、アクセントとして壁の一部分に使ったり、またD.I.Y.でご家族で一部分のみ施工してみるという考え方も面白いかもしれません。

たとえツルツルに仕上がらなくても、家族でワイワイやって出来上がってみると味が出る、そんな自由な材料でもあります。

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